【学会発表】鼻形成術と鼻翼基部手術の相互作用を考慮した中顔面形態の包括的デザインby円戸望
2026年10月1日と2日に開催された「第3回 日本美容医療学会 学術総会」にて、「鼻形成術と鼻翼基部手術の相互作用を考慮した中顔面形態の包括的デザイン」をテーマに、eクリニック統括院長の円戸望医師が学会発表を行いました。発表の様子を動画で公開しています。
0:46 患者様のニーズと「自然な鼻」の医学的解釈
1:43 美的な「自然さ」の定義と日本・韓国の傾向比較
3:26 鼻のバランスと中顔面の発達(鼻翼基部と鼻先の距離感)
4:51 過去の診療経験と、中顔面を考慮した現在のデザイン手法
6:59 症例紹介:鼻筋形成と中顔面の発達による変化
10:04 貴族手術(鼻翼基部前方移動)のメリットとリスクの相殺
11:31 貴族手術単独症例におけるメリット・デメリットの考察
13:18 鼻先・鼻翼基部・鼻唇角の3つのベクトルの総合的な調整
14:31 皮膚が厚い患者様へのアプローチと再配分による薄見せ効果
17:12 メラーパッド(頬脂肪)への影響と中顔面の皮膚消費による若返り
18:51 結論:包括的なデザインによる自然な調和とまとめ
今回は、第2回 日本美容医療学会 学術総会に続き、2年連続での学会発表となりました。
第2回の学会発表の内容はこちらからご覧いただけます。

患者が求める「自然な鼻」とは?

「整形っぽくない、自然で綺麗な鼻にしたい」
「高さはいらないけれど、鼻を細くしたい」
これらは、カウンセリングで頻繁に聞かれる希望です。 では、このような希望を解剖学的・形態学的にどのように解釈するのでしょうか。
「自然」を形態学的に解釈する

「自然な鼻」の一つの解釈として、中顔面の前方発達と鼻尖突出度が大きく乖離していない状態が挙げられます。
鼻の形態を考える際には、以下の位置関係に注目します。
- 鼻背と鼻尖(Dorsum – Tip)
- 鼻尖と鼻翼(Tip – Ala)
- 鼻尖と中顔面の前方発達(Tip – Midface projection)
本発表では、このうち「鼻尖と中顔面の前方発達」に注目します。
鼻の審美性は、鼻単独の形態では決まらない

鼻尖・鼻翼基部・鼻唇角・上口唇・頬部は、連続した一つの「中顔面ユニット」として捉えることができます。
- Alar base / 鼻翼基部
- Nasolabial angle / 鼻唇角
- Nasal tip / 鼻尖
- Upper lip / 上口唇
局所の形態そのものではなく、各部位の相対的な位置関係が全体の印象を決定します。
鼻形成術が生む新たなギャップ

鼻形成術によって鼻背・鼻尖を前方へ移動すると、鼻尖と鼻翼基部・鼻唇角との前後差が増大します。
その結果、鼻翼基部・鼻唇角の陥凹感が相対的に増強し、鼻の突出感が強く見えることがあります。
これは「鼻が高くなりすぎた」のではなく、「周囲組織との相対的位置関係が変化した」と考えることができます。
鼻翼基部を前方移動すると何が起こるか

鼻翼基部を前方移動する「Alar base advancement」によって、次のような変化が生じ得ます。
- 鼻翼基部の陥凹が軽減し得る
- 鼻唇溝が浅くなり得る
- メーラーファットの突出感が相対的に軽減し得る
- 鼻の突出感が相対的に軽減し得る
鼻翼基部のみを対象とした手術ではなく、中顔面全体の形態に波及し得ると考えます。
Case 1:鼻形成術単独

【標準価格/税込】鼻整形:¥109,780~¥506,000
【執刀医:円戸望】
@endo_eclin2@endo.hana
鼻形成術単独の症例を、側面(Lateral)と斜位(Oblique)から比較します。
鼻形成術によってNasal projection(鼻の突出)が増加する一方で、Relative alar base retrusion(鼻翼基部の相対的な後退)も増加して見えることがあります。
Case 2:鼻翼基部手術+鼻整形

【標準価格/税込】鼻整形:¥109,780~¥506,000
【執刀医:円戸望】
@endo_eclin2@endo.hana
鼻翼基部手術と鼻整形を組み合わせた症例を、正面(Frontal)、斜位(Oblique)、側面(Lateral)から確認します。
症例を評価する際には、以下のポイントを観察します。
- Alar base / 鼻翼基部
- Nasolabial fold / 鼻唇溝
- Malar region / 頬部
- Nasal projection / 鼻の突出感
鼻翼基部だけではなく、それ以外の領域も併せて評価します。
前方移動は常に有益とは限らない

鼻翼基部の過度な前方移動によって、以下のような変化が生じ得ます。
- 鼻翼の拡大
- 鼻翼の下垂
- 鼻孔形態の変化
- 上口唇形態の変化
- 人中の延長感
前方移動量が多いほど良いわけではありません。
Case 3:適切な前方移動と過度な前方移動

【標準価格/税込】鼻整形:¥109,780~¥506,000
【執刀医:円戸望】
@endo_eclin2@endo.hana
適切な前方移動
適切な前方移動では、鼻翼基部の陥凹が改善し得ます。 また、鼻翼形態・鼻孔形態は保たれます。
過度な前方移動
過度な前方移動では、鼻翼の拡大・下垂を生じ得るほか、鼻孔形態や人中の変化を生じ得ます。
※適切量と過度量の境界には個体差があり、術前の相対的評価が必要です。
鼻唇角も独立して考えない

中顔面の形態を考える際には、次の3点の関係に注目します。
- Alar base / 鼻翼基部
- Nasolabial angle / 鼻唇角
- Nasal tip / 鼻尖
3点それぞれの「高さ」ではなく、3点間の前後的な位置関係が中顔面の印象を決定します。
Three-vector concept / 3つの前方移動ベクトル

1.Nasal vector
鼻尖を前方へ移動させるベクトルです。
- Nasal projection ↑
- 鼻翼基部・鼻唇角とのgap ↑
2.Alar base vector
鼻翼基部を前方へ移動させるベクトルです。
- Alar base depression ↓
- Nasolabial fold ↓
- Relative malar prominence ↓
- Relative nasal projection ↓
3.Nasolabial angle vector
鼻唇角を前方へ移動させるベクトルです。
- 鼻尖とのgap ↓
- 鼻柱〜上口唇の連続性 ↑
最終的な中顔面形態は、3ベクトルの「絶対量」ではなく「相対的バランス」によって決まります。
厚い皮膚の鼻を、高く見せずに細くできるか?

「高さはいらないが、鼻先を細くしたい」という希望があります。
皮膚・軟部組織が厚い鼻では、単純な鼻尖形成のみでは細さを表現しにくい場合があります。
そこで考えるのが「軟部組織エンベロープの再配分(Soft-tissue envelope redistribution)」です。
軟部組織エンベロープの展開・再配分

Before
厚い軟部組織エンベロープが存在する状態です。
Step 1:鼻尖を前方へ
鼻尖を前方へ移動させることでエンベロープが展開し、単位面積あたりの厚み・丸みが相対的に減少します。 その結果、鼻尖がより細く見え得ます。
Step 2:鼻尖単独では
- Nasal projection ↑
- 尖った印象 ↑
- 中顔面とのgap ↑
Final:中顔面側も前方へ
Alar base advancementとNasolabial angle augmentationによって、相対的な前後差を縮小します。
鼻尖自体は前方移動していても、「鼻だけが高い」という印象を抑えることを目指します。
皮膚が厚い鼻/鼻尖挙上と鼻翼基部の前方移動

皮膚が厚い鼻に対して、鼻尖挙上と鼻翼基部の前方移動を組み合わせた場合の考え方です。
鼻尖への軟骨移植によって鼻尖の高さを出し、鼻翼基部を軟骨移植によって前方移動させます。
これにより鼻尖の高さが増加しても、鼻翼基部からの高さとの関係を考慮したデザインが可能になります。
鼻翼基部前方移動が中顔面に及ぼし得る変化

鼻翼基部を前方移動することで、鼻翼基部から頬部にかけての軟部組織エンベロープの形態が変化します。
それによって、メーラーファット領域の突出感が相対的に軽減し、中顔面の肉厚な印象が軽減して見える場合があります。
これは脂肪そのものが減少するのではなく、「見え方・相対的位置関係の変化」です。
術前デザインへの応用

従来の「鼻を何mm高くするか」という考え方だけではなく、 「鼻尖・鼻翼基部・鼻唇角を、それぞれどの方向へ、どの程度動かすか」という考え方で術前デザインを行います。
- Nasal tip / 鼻尖
- Alar base / 鼻翼基部
- Nasolabial angle / 鼻唇角
各ベクトルの組み合わせによって最終的な中顔面形態が決まるため、術前に3点を同時にデザインします。
Case 4:Comprehensive design

【標準価格/税込】鼻整形:¥109,780~¥506,000
【執刀医:円戸望】
@endo_eclin2@endo.hana
鼻形成術+鼻翼基部手術+必要に応じた鼻唇角へのアプローチを行った症例です。
正面・斜位・側面からBefore・Afterを比較します。
鼻単独ではなく、中顔面全体をデザインした症例です。
結語

鼻を高くすることと、鼻を美しくすることは同じではありません。
鼻尖・鼻翼基部・鼻唇角は、それぞれが独立しているのではなく、相互に作用します。
3つの前方移動ベクトルを同時に設計することで、自然で調和した中顔面形態を形成し得ます。


















